Winnyの衝撃(4) デジタル技術の攻防

 「Winnyウィニー)を使えば、写真で証拠が残ります」。学内でウィニー利用中の端末を即座に特定するセキュリティーソフトを使って、遠隔操作で画面を撮影する。京都産業大京都市北区)は今春、ウィニーを「悪意の有無にかかわらず、著作権法違反に加担する」として利用自粛を求めるガイドラインを施行し、利用した学生数人に注意を与えた。

これは明らかに行き過ぎであろう。早い話が、秘密警察の監視体制と同じだ。今よりはるか昔から、著作権法違反よりもっと悪質な犯罪はあり、この種の監視活動で抑止できるものは死ぬほどある。でもそれは行えない。憲法上に保護を謳われている「言論の自由」と「基本的人権の尊重」双方に抵触するからだ。また、刑法の理念「疑わしきは罰せず」にも大きく反する事にもなる。研究内容や方法によっては、ファイル交換を差し止められる事で大きく活動を制限されるものもあるのではないか?それなのにこの処置はなんだ。何様のつもりか、京都産業大学

新たな試みもある。映画会社の松竹(東京都)は昨年11月、NTTコミュニケーションズと提携し、若手タレントのオリジナル映像の無料配信を始めた。映像は暗号化された状態で利用者に届けられ、ファイル共有ソフトでコピーが流れても、視聴するには、同社から暗号を解く「公開かぎ」を手に入れる必要がある。これまでのダウンロード数は、コピー利用も含めて約80万件に達する。「例えば、こうしたシステムを有料化するなどして、ビジネスの仕組みをつくり、適正に利用すれば、ファイル共有ソフトもネット収入につながるのでは」と話す。対策は「防御」一方ではない。

こういう方法論が事の本質を見据えた、建設的な解決策であろう。