『怪談 呪いの霊魂』

怪談・呪いの霊魂
原作:エドガー・アラン・ポォとされているが、実は、H・P・ラブクラフトの『チャールズ・ウォードの奇妙な事件』が原作。諸々の事情はライナーに詳しい。
さて、ラブクラフト物といえば自動的に手が動くのが、ラブクラフト者の性。そうして後悔することが多いのだが、これはかなりマシな部類であろう。原作には邪神の類が登場しないということもあり、低予算映画との食い合わせは良かったと思われる。
のだが、旧支配者らしきものの姿が数カット登場したりして。これは、ダニエル・ハラー監督の『ダンウィッチの怪』(1970年"The Dunwich Horror")のモンスター描写に比べるとはるかに洗練されている。。。あくまで比べてのハナシであるが。

歴史的考証にはビタ一期待できないが、アメリカにおける魔女狩りの時代の雰囲気および、ラブクラフト作品の主な舞台となる20世紀初頭の情景は良く伝わってくる、古式ゆかしい怪談映画である。しかし、邦題といい原題の"THE HAUNTED PALACE"といい、投げやりなネーミングだなぁ(w。と思っていたら、『呪いの古城』という邦題もあるらしい。原題そのまんまやん!