アイナメの焼き霜造りなどなど

千人同心@御茶ノ水。店の名前を見て、『必殺!III 表か裏か』の冒頭を思い出してしまった。*1なんか最近のメンタリティは表の顔の中村主水に近いものがあり、妙なシンクロニシティ。もちろん、正しく千人同心の意味とはかけ離れているのだが。

本日のお勧め「アイナメの焼き霜造り」、「イシモチのポン酢和え」、「鰈の唐揚」をオーダーするも、鰈はヤマ。仕方なく今月のお勧めから「穴子と冬瓜のあんかけ」を頼むも、これもヤマ。産直の鮮魚がウリらしいが、数量がが少ないのが難点かもだ。
但し、料理も盛り付けのセンスも上々である。アイナメは所謂「下魚」の範疇であり、旬も外しているのだが、刺身で食えるというのは滅多に無い機会*2であるので、心して味わう。味はかなり淡白。焼き霜の技法は見た目にはあまり反映されていないのだが、味には大きく影響を与えているようで、臭みが全く無い良い仕事。

イシモチのポン酢和えも上々。涼感の高い器にちんまり盛られた見た目も美しい。淡白なイシモチ*3と、胡瓜+胡麻の味わいは好相性。ポン酢の加減も、俺好みのいい塩梅である。酒は、「千人同心」と店名と同じ麦焼酎を頼んでいたが、クセの無い味わいで、肴との相性もよろしい。

地鶏の唐揚は、肉の歯ごたえ、味付け、揚げ上がりは満点だが時節柄かちょいと火が通り過ぎ。穴子と冬瓜のあんかけの代替品なのだが、未練が増すばかりであった。
全体に落ち着いた雰囲気で、神保町方面に比べかなりリーズナブルな良い店を発見。今度又来よう。


*1:南町奉行所上げての大捕り物の準備から実施のスペクタクル。工藤栄一の多角的なカメラワークが、20人少々のエキストラを何百人にも見せる、圧巻の職人芸。

*2:釣り人にのみ許される贅沢の範疇。

*3:これも刺身で食うのは初めてだ。