『砂の器 デジタルリマスター版』

@東劇。
某映画誌の記事を読んで、もう一度キッチリと観たくなった。
ストーリーやテーマには今更触れないが、映像の美しさに感動。それは、デジタル技術のみへの賛辞ではなく、もはや失われた、近代日本の最後の牧歌的風景への郷愁である。草いきれや土、水の匂い、畳の匂い、ローカル線車内の独特の香り等々。。。映像から漂よってきそうである。そして、この種の感動は、同時代に生きた経験を共有していないことには得られないんだろうなぁ。
高度経済成長期の終焉のタイミングで本作は製作されたわけだが、その後30年。。。。四半世紀を超えて、日本の風景は大きく変わってしまった。四季折々の風景を、叙情豊かにインサートするという日本映画の無意識の伝統的手法は、失われた技術になってしまった事にこそ、涙してしまったよ。