『米国の「経営者」がしでかしたとんでもないヘマ101連発』


米国の「経営者」がしでかしたとんでもないヘマ101連発
ビル・アドラーJr., ジュリー・ハウトン, 佐藤 雅彦

おすすめ平均
企業家の皆さん、これ読んでリラックスしましょう

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ちょっと古い本であるが、米著名企業のしでかした失敗事例集として貴重。また、「サラリーマンのトリビア」の趣もあり、普通に読み物としても楽しめるだろう。失敗の原因にはアメリカと日本の国民性の違いに拠るところも散見できるが、それはそれとして面白い。「#007 赤ちゃんキリスト教人形の黙示録」がそうだ。日本ではありえない商品だが、大ゴケした理由が、実に理に適っていて、爆笑してしまった。1950年代後半、米玩具市場で有数のシェアを誇っていたアイデアル社が発売した、「赤ちゃんキリスト人形」*1がダメだった理由は...

幼児とは人形を虐待する動物なのだ。階段を上り下りするたびにキリスト様の赤ちゃんの髪の毛をひっつかみ、ずるずるとひきずりながら連れ歩く。(中略)敬虔なる信徒なら、我が子がそうした反キリスト的暴虐を日々行うのを見ていられないだろう。
おもちゃ屋の主人や店員も同じ心配をしていた。(中略)セールス推進のために"キリストさまを値引きして売る"のは、背信行為を行っているようで、どうにも気が進まない。

「#027 ドライビールの泡沫」も興味深い。日本では、大ヒットし定番化したというのに、米市場では「大ゴケ」だったそうだ。コケた理由というのも、大多数の日本人には「?」と思うところであろう。
また、「#60 よけいな心づかい」などは、CRMの充実がもたらした悲喜劇であり、顧客満足度を高めていく戦術を実践していく上で轍を踏む可能性が十分にある。爆笑事例なのだが中々に考えさせられるものがあった。




*1:訳が宜しくないね。意訳でいいから、「嬰児イエス人形」としてくれた方がもっと可笑しかったのに。