『光る眼』(リメイク版)ついでに見とくよろし。

光る眼


おすすめ平均
B級SF・ホラー映画の巨匠J.カーペンターが描くウィンダムの侵略SF
こわ!!

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コメント:
ある町の外れに隕石が落ちた。数ヵ月後、町は空前のベビーブームに見舞われる。逆算すると皆、隕石の落ちた夜に妊娠していた事になるのだ。ただの偶然と思われていたが、すべての妊婦が同日同時刻に子供を出産する。子供たちは長じるにつれ、年齢不相応な高い知能を持つことが分かってきた。そして、人の心を読み、操る超能力を持つことも。子供たちの目は夜になると光を放ちはじめる。

子供が襲ってくる恐怖を描いた映画は多々あるが、1960年に制作された、ウォルフ・リラ監督の『光る眼』はその中でも白眉だろう。だが、残念ながら、今見る術はない。というわけで、ジョン・カーペンター監督がリメイクした『光る眼』をご参考に....ただ、東西冷戦下における「共産思想」という見えざる拡散する恐怖と、人類史上空前のジェネレーションギャップが生まれたのではないか?と思われるが60年代という背景があってこその映画だったので、20世紀後半にあのテイストをなんのひねりもなく映画化する*1意味は...といえば、あまり無い様な気もする。オリジナルを知らない人には、邪悪な子供が団体で襲ってくるという絵面は他には意外に無い*2ので、それなりに怖がれるかも知れない。

但し80年代初頭、『スター・ウォーズ』に端を発するSF・ホラーブームの狂騒を知っている世代は、この映画はある意味必見だろう。マーク・ハミルクリストファー・リーブの競演だぞ。特に、クリストファー・リーブは注目である。彼が五体満足で銀幕を飾った最後の映画だからだ...スーパーマンが重度のハンディキャッパーになる直前の姿に、オレは泣いた。夢忘れえぬ大きなお友達には、恐怖ではなくメランコリーを味わってほしい。




*1:まして、カラー作品である。モノクロフィルムの持つ問答無用の妙味を剥ぎ取られているのだ。

*2:普通の≒洒落の通じない倫理観からすれば当然の事かもしれない。他には『チルドレン・オブ・ザ・コーン』位しかオレは知らない...ちゅうか知りたくなかったよ、ヒドすぎて。