『Vフォー・ヴェンデッタ』
仮面のエージェント・スミス101人大行進。『オペラ座の怪人』+『岩窟王』を5で割った感じの、ウスウスユルユル革命妄想。
@新宿ミラノ座。
アメリカを舞台に、与党に弓引く劇場型テロリストの物語を紡げなかった事は、要はクリエイターの弱腰のなせる業でしかない。所詮はアメコミ原作とはいえ、アメリカ合衆国こそ進化の袋小路に陥った巨大恐竜のごときグローバリゼーションの立ち遅れが読み取れて、ある意味面白いかもしれない。
銭形のとっつぁん役のスティーブン・レイがいい味だしていたところが、数少ない見所の一つ。わりとご贔屓の性格俳優の登板は嬉しかったのだが『ロシア52人虐殺犯/チカチーロ』の役所とビタ一変わっていなかったりするのはご愛嬌。
あ、あと、ナタリーポートマンの顔を極力小さく写そうという演出努力は買いたい。この辺は、ジョージ・ルーカスより遥かにイイ仕事していたといえよう。