『ペネロッピー絶体絶命』

チキチキマシン猛レース』のスピンオフ作品。プシーキャットのミルクちゃんとギャングセブンがそれぞれ、ペネロッピーとリトルギャングと名前を変えている。

莫大な遺産を相続した美少女ペネロッピーは、財産乗っ取りを目論む管財人兼後見人の弁護士シルベスターこと怪人マントメガネに命を狙われている。手下のワルコンビを使い、ペネロッピーを亡き者にせんと画策するマントメガネに立ち向かうのは、騎士道精神溢れる、ゴールデンエイジスタイルの小人のギャング七人集だ。

設定から一目瞭然の「白雪姫」の近代版リメクなのだが、毎度毎度マントメガネが仕掛ける猟奇的≒前時代的ロマンに溢れる、ペネロッピー暗殺の罠が魅力。同時期に放映されていた『スカイキッドブラック魔王』もあわせて、『チキチキマシン猛レース』と同じ通低音。。。。つまり、インクレディブルマシーンのバカバカしさと「策士策に溺れる」アイロニカルな爽快感を、「チキチキマシン」より濃厚に前面に打ち出した、アバンギャルドな意欲作なのだ*1

人格形成期にこういうアニメを見て育つとロクな事がない。。。。のか、そもこういうアニメを好む嗜好は生まれついてのものなのか、心理学者に分析してもらいたくなるくらい、「ペネロッピー」の面白さは色褪せる事がない。

ペネロッピー絶体絶命 コンプリートDVD-BOX

大人突っ込みを一応しておくと、本邦では「怪人二十面相」に代表される江戸川乱歩的、けっして健全ならざるシークェンスがキモの「ペネロッピー」と、第一次大戦を時代背景に、どっちの陣営に属するにしても主人公がダークヒーローな「スカイキッド」、ともにアバンギャルド過ぎて、マニアック故短命でマイナーなのは遺憾ともしがたいことなのだろう。
だが、こういう作品がDVDで陽の目をみることができるというだけで、二十一世紀は捨てたものではない時代なのかもだ。。。。。コンテンツの枯渇という問題は孕んでいるにしても!だ。

ジェシカ・アルバ=ペネロッピー、ジョナサン・プライスorアラン・リックマン=マントメガネ、ゲイリー・オールドマン=ワルコンビ(CGで二役)という布陣で、リメイクしてほしいなぁ。「ファンタスティック・フォー」ノリで、カートゥーン描写を、CGを駆使して生身の人間にやらせる力技の大バカ悪趣味映画として。



*1:おそらく、カップリングで1時間の放映枠だったのだろう、本国でも。双方17話という中途半端な話数であるところが、根拠。