『宇宙戦争』

Mazudai2005-06-30

@MOVIXさいたま。
ティム・バートン『マーズ・アタック』を作られ、あまつさえ、あのエメリッヒに『ゴジラ』『ID4』をやられてしまった、元ヲタク番長の怨念の所業か?はたまた逆に、彼らを容易に「露払い」にできる王者の余裕か?特A級の仕上がりの「B級SF映画」であった事よ。

アナクロいウォーマシンの描写は、SFメカというより、むしろ怪獣映画っぽい。「巨大な質量を持つ物体が陸上歩行しながら破壊と殺戮を繰り広げる」とは、こう撮れ!という、巨匠ならではのパワフルな演出は、随所に、円谷英二本田猪四郎両監督へのオマージュが捧げられていた。

また、「偉大な先達」であるジョージ・パルへのオマージュも濃厚。「3の法則」に拘ったパル版『宇宙戦争』のロジックを、更に一掬い掘り下げたGJが、ウォーマシンとエイリアンのデザインである。現代の、日本のロボット工学者の殆どがガンダムを夢見て研究に勤しんでいる現状を省みると、ウォーマシンとエイリアンのデザインの関連性には実に納得がいく。「そう来たか!」という、心地よさがあった。

また、絶対『マーズ・アタック』を意識してるなっと、ちょいと意地悪い笑い方ができるのは、地球人捕獲の描写。ウォーマシンに取り付けられた籠に犠牲者をプールし、場合によっては、籠にも入れず血を吸い出す。前世紀の残酷描写をあえて入れたのは、絶対、悪趣味バカ映画への敬礼であると思う。