『バットマン・ビギンズ』@新宿ピカデリー

Mazudai2005-06-25

結論から言うと、面白かった。
プログラムに掲載されている町山智浩氏の文章に「バットマン」の変遷が要約されており、それによれば、正しく原点回帰を果たした作品であると言える。
が故に、前半部が実に地味な展開になってしまっているが、「両親を目の前で殺された少年が、長じてコスプレヒーローになる」のは何故か?という永遠のツッコミどころについて、実に真摯に描いている。クールに洗練されているようで実は、深く静かに、ボンクラ魂を滾らせている、上手い構成だと思った。


/ ワーナー (2005/10/28)
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名物キャラである執事のアルバート(マイケル・ケイン)の「あなたこそ、父上の唯一の遺産」というセリフは泣けたなぁ。デュカード≒真ラーズ・アル・グール(リーアム・ニーソン)との最後の戦いは、ウェイン父子の絆の象徴であるモノレールで繰り広げられる。ゴッサムシティの平和を願って父が施設したこのモノレールを、ゴッサムシティの危機を回避するために、なんの躊躇もせず破壊する*1時、バットマンは、「個の事情」を超越した真のヒーローと成る。
この吹っ切れるきっかけが、アルバートの一言なのだ。

*1:実際は、ゴードン警部補(ゲイリー御大)に壊させるのだが。