『パチ怪獣サミット2005』

左から、喜井氏・唐沢氏・堤氏

俗に「特撮三倍段」などと言うが、そんな濃い人たちの中でも特に濃縮された、「パチ怪獣を愛することができる怪獣ヲタク」という、ほとんど腐乳のような人々の集いに行ってきたよ、ロフトプラス1。
昨夜帰れなかったので、ネカフェから会社に直行して、残務あれこれお片付け。12時の開場に間に合えばいいや!位の軽い気持ちで、歌舞伎町の「ラーメン二郎」で昼食ってから行ってみると、渡された整理券は、12時段階で59。凄いなぁ。
麗らかな春の午後、会場近くの公園(神蔵の前あたり)に極め付けに濃い雰囲気の方々が、整列させられてましたよ。なんか、安田大サーカス20セットくらいで集会開いてるみたいであった。こんな異様な集団も、「整列という行為」以外は特に浮いた感じがしない空間というのもちょっと凄い。歌舞伎町。懐が深いというか、魔窟の街と言うか。
元より唐沢なをき先生の大ファンであり、生でご尊顔を拝することができる良い機会程度のつもりだったのだが、すっかり場の雰囲気に飲まれてしまったよ。二郎の「ラーメンの限界を超えたラーメン」が、胃の中で脈動してますよ。嫌な汗が、背筋を流れ落ちますよ。。。。アルタードステーツ」かよ、オレは。すっかり退行準備完了。
開場して受付。入り口で、来場者特典である、イベントマスコット怪獣「地獄怪獣オニゴン」のソフビを貰う。うぅう、唐沢デザインのオニゴン、ラブリー。
ロフトプラス1といえばトークライブが基本。今回のパネラーは、

  • 漫画家:唐沢なときなをき氏
  • アマプロ主宰:喜井竜児氏
  • 「えむぱい屋」店長:堤哲哉氏

のお三方。議題を提示し、貴重かつ豊富な資料を見せながらの突っ込みトークショウである。
最初の議題は、ブロマイド。ヨコプロ、ヤマプロが製作した、30代後半以上の世代にはおなじみの怪獣ブロマイドとの再会である。要は、怪獣ブームの最中に作られた、版権無視した海賊商品なのだ。適当にコラージュして適当に色ぬってたり、あるいは、適当に作り降ろされてたりするパチ怪獣たちは、悲哀・脱力・恐怖・嘲笑のゴッタ煮である。見るものの心に、ある種トラウマににた感覚を引き起こすパチ怪獣たちは、トンデモの笑いのベクトルを超越し、正しく「異形と接する愉しみ」を味合わせてくれると言えよう。
皇居のお堀から現れるギルマンに似た人とか、大手門にあらぬ角度から火炎を吹きかける、プテラノドンに良く似ているかもしれない怪鳥や、宇宙時計を配った宇宙人にそっくりな体つきのドクロ頭のヒトとかは、高度経済成長の渦中にあり、なお、戦後日本の行く末に異議を唱えた、殉教者たちなのだ。。。。。
んなわきゃネェだろ!!
いやぁ、笑った笑った。特に、今回初めて目にした、只の猫だのトンボの頭だのをコラージュした怪獣や怪人は、喜井氏の言うとおり「夢に出てきそう」なトラウマ必至の絵面であったよ。
続いて、オレ的には今回のハイライトだった「怪獣トランプ」。キューピーの怪獣トランプはやはり出色の出来栄え。全52枚フルに見れたのは嬉しかったなぁ。ヒーターとか、モッグスとかすっかり忘れてたよ。しかし、理解に苦しむのが伊藤園の怪獣トランプ。絵札には、「科学忍者隊に良く似たヒト」とか使われているのに、その他怪獣図版はキューピー以前の、ヤマプロ怪獣の流用だったりする。初出から10年近く経ってる計算だが。しかも、カードの裏は、「おーい、お茶」のCM流用の爺さんである。いい加減も、ここまで行くとシュールアートだ。伊藤園の宣伝部のポジションとか、意思決定機構とかに思いを馳せざるを得ない、大人アイテムの逸品であった。
さて、この怪獣トランプに登場する52体の怪獣のうち、厳選された5体+αが、えむぱい屋創業10周年記念としてなんと実写映画化されたのだ。その名も「モーレツ怪獣大決戦」。今回、途中バージョン(だと、思いたい)が臨時上映された。怪獣おじさん21のツカミから始まる、正調パチモン映画である。モッシーは、ウィンドサーフィン中の美女を食い殺し、メトロカバヤンは、鋭い背びれで巡視艇を真っ二つにする。この二匹が太平洋を血に染めて、大水中戦を繰り広げる。さらに、謎の巨大原人が現れて。。。。と、夢に出てきた夢にまで見た、怪獣大競演映画であったよ。この映画、7月に下北沢のトリウッドで上映会をやるらしい。こっちも見に行かなきゃだ。
そして、パチ怪獣の宴はまだまだ続く。喜井氏提供のソノシート*1のパチモンドラマ再構成や、パチ怪獣マンガなど、抱腹絶倒。なまじ一流の方々が加わっているから余計に始末が悪い。古賀新一先生の怪獣マンガなんて、『木鬼(ぼっき)』だぜ。木鬼が血を吸って、一つ目キノコを繁殖させるんだぜ。梶原一騎原作の怪獣マンガとかも、破壊力甚大だったなぁ。



会の最後は催される、ソフビ系メーカー提供の商品・試作品大抽選会。追加オーダー毎に抽選券が一枚貰えるのだが、いつもどおりに杯が進んだだけで、5枚ほど抽選券が溜まってしまった。全然、「当てよう!」とかいうモチベーションが無かったことが幸いしたのか、3つも賞品貰っちゃったよ。戦利品は以下の通り。

  • REAL X HEAD社製「ミュータントゾーン」シリーズの「ミュータント ヘッド」未塗装品。
  • マーミット社製「モビルスーツ ガバ」
    • わはははは。コレは真剣に嬉しい。和田慎二ラムちゃんの戦争』に登場する、ザクのパチモン。会場でこのネタ気がついてるヒトいなさげだったのが印象的だった。
  • パネラーサイン入りオニゴン
    • 「パチ怪獣サミット2005」の刻印(藁)入り。記念品ですな。

んで。。。。。暫く封印していた「ソフビ魂」に火がついちゃったよ!マルサンの「20世紀未来テデロス エビレオン」とサンガッツ本舗の「大怪獣シリーズ リュウノス」を買ってしまった。どちらも、成田亨っぽい顔立ちがステキだったことと、パチ怪獣らしく、ソフビとしてはお安目だったんだよな(w)

オレの隣のヒトは当てる気マンマンで、凄い勢いでフードオーダーしてたが、このヒトも3つ貰ってたよ。