『ウルトラQ dark fantasy』第16話「小町」

ある意味で正しく先祖がえりしている脚本は、センス古すぎ。

放映データ
話数放映日サブタイトル脚本監督
1704/07/27小町上原正三八木毅
キャスト
キャラクター俳優キャラクター俳優
若林堺正人小町長沢奈央
じっちゃん奥村公延富士子所長大島蓉子
ナレーション佐野史郎


住宅会社に勤める、しがないサラリーマン若林(堺雅人)。最近は成績が上がらず、休日を共に過ごす恋人もいない。そんなある日、彼が馴染みの店でラーメンをすすっていると、出前から戻ってきたアルバイトの小町(長澤奈央)と目が合った。「う、美しい!」。外国生まれなのか言葉こそ拙いが、気立てがよく、なによりも美人だ。独身の若林は一目惚れするが、店主からは「その気になるな。普通の娘じゃない」と冷たい言葉。「俺には高嶺の花ということか」落ち込む若林が街を行くと目に入ったのは浴衣で美しく着飾った小町の姿。天衣無縫に見える彼女にいったい、どんな秘密が隠されているというのか? 戦隊シリーズでデビューした人気女優、長澤奈央を迎えて贈る、現代のファンタジー

いろいろムカつくんだが、敢えて付す。

いわゆる妄想彼女系とでも言うのか?絶対的ダメ人間の下へ理想の彼女が現れるというジャンルのちんけなエピソード。こういう設定を定石どおりの構成で進めていくから、「小町」は人間ではない事が出て来た途端に丸わかりで、なんのサプライズも無い。しかも割りと早々と、奥村公延のラーメン屋店主がロボットだって事をバラしてしまうので、見ていて苦行に近いものを感じた。

苦行ならカルマ落としになるが、こんなモノ見てるだけならカルマが凝る一方だ。(笑)

チープで薄っぺらい構成の中で救いだったのが、小町の「浴衣マトリックス」とトラックばァーンのシーンだ。『マトリックス』もどきのシーンは、チープなデジタルエフェクトでオリジナルを模倣するのではなく、アナログな手法のパチモンに徹したところを評価したい。低予算番組なのは見ている側は百も承知なわけだ。そこで「低予算」を言い訳にするのか、開き直るのか、できる範囲で脳に汗かくのかという制作側の姿勢が、評価の分かれ目となろう。浴衣ネエちゃんバトルという魅力的なシチュエーションにも関わらず、殺陣はへっぽこ露出度も低い。だが、ワイヤワークとパンの組み合わせという素直な手法で、カット割りのみ「マトリックス風」という絵面に組みあがった小町vsチンピラのシーンは、現場のひたむきさがしっかりと感じ取れたので、好感度大。
トラックに激突して小町がバラバラになるシーンも編集がうまくて、それなりに衝撃的なシーンに仕上がっていた。個人的に『帰ってきたウルトラマン』のおかげで、ヒロインの交通事故というのは凄いトラウマになっているという事情もあるのだがね。
手元にビデオが無くて確認できていないのだが、第4話『パズルの女』の猟奇ストーカー女って、小町役の長澤奈央ではないか?




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