『奇談』
「おらも連れてってくだせぇ、おれもぱらいそさ連れてってくだせぇ」
@MOVIXさいたま。
原作は、「妖怪ハンター」シリーズとして週刊少年ジャンプに掲載された「生命の木」である。正に奇談としか言いようの無いエピソードであるが、ヒロイン役を登場させるための「神隠し」と絡めた映画オリジナルの構成は、大きく破綻もせず*1上手くまとまっていたように思う。
舞台設定を原作と同じく、昭和50年代に設定している。ロケ地に、本当に開発されていない田舎を良く見つけたなぁと感心した。ボンネットバスだの旧型のワゴンだの、「ディスカバージャパン」とか「列島改造計画」といったセリフなどの細かい配慮もなかなか憎い。それが成功しているか否かは微妙であるが、部落ネタである関係上、こうした「昔の話ですよ」という強調は、外界から隔絶されていなければいけない必然性以上に必要な配慮のようにも思えてしまった。
阿部寛の稗田礼次郎、イイ感じだったなぁ。
*1:全ての謎は謎のままにという終わり方なのだから、破綻の仕様が無いともいえるが。