『オープン・ウォーター』

というのは後付けの理屈。観たいなぁとは思っていたが、たらこせる画伯の推薦に激しく心動かされ、予定変更しての観戦とあいなった。おっぱいだけならまだいいが!土手も見えてたりしたよ、画伯。

さて、ケアレスミスで置き去りにされたダイバーという、しょうもない設定でもグイグイ見せるのはドキュメントをベースにした重みなのだろう。クラゲに刺されの脱水症状に苦しみの鮫に怯えのと、地味であるが故に、ジワジワくる恐怖感は中々のものがあった。

まんが日本昔話』にも、似たような恐ろしくもやるせないエピソードがあった。「吉作落し」という話だ。山菜取りをしていて、崖の中腹に生えているものを取ろうとして、命綱が切れてしまうというシチュエーション。登ることも降りることもできなくなった男の最後の選択は。。。。というのを思い出してしまった。

なまじ、五体満足であるところが、真綿で首を絞めるように主人公に絶望を齎す。歯がゆい展開の末のすごく後味の悪い落ちと、プロットまで似てしまうのは、絶対孤立状態で個人が自然に立ち向かった時の、必然なのかも知れない。

昔扶桑社からそのものずばり『脱出』ってタイトルのアンソロジーが出ていた。全く著者も作品名も思い出せないのだが、二編ほど、取り残されて誰にも気づいてもらえない恐怖を描いたものがあったなぁ。こちらは、ハッピーエンドなのだが。。。。。