アレグリア2

Mazudai2004-12-12


生まれて初めて生で観たサーカスがこれだったりする。いやもう感動。

開演前のプレパフォーマンスから、会場内のあちこちでコミックのマイムが繰り広げられ、どこに目を遣ったら良いのか戸惑ってしまう。

上司のご好意でチケットを回してもらったのだが、前から5列目のすごく良い席だった。空中ブランコなど吊り物の迫力は凄まじく、正に息を呑む。

オーソドックスなサーカス芸に、器械体操要素を加えたアレンジが多く、個人的に気に入ったのは、「棒トランポリン」とでも言おうか、弾力性のある平均台状の物を人が肩で支え、その上でのジャンプを主にしたパフォーマンスが凄かった。3本×2人+演者2人の計8人の息が合わないと失敗必至な、素人目にも明らかに難易度の高い芸。ジャンプ、回転、交差などなど組み合わせる様は、神懸り的に凄かった。

綱渡り芸も印象的だった。低い位置での演技なのだが、綱が弛んでいるのだね。演者が乗った重みで、直角三角形状に綱が張ることで演技可能な状態になるのだが、ピンと張ってるわけではないから、横揺れも相当激しいと思われる。ここで梯子乗りや一輪車、逆立ち一輪車をこなすお姉さんも凄かったなぁ。

軟体芸の、東洋人のお姉さん、凄い美人だったが身体が怖いくらいに曲がる曲がる。骨盤の輪郭が4割方判るくらいに筋肉が伸びているのだ。映画などでは「魔窟」の描写に使われる事の多い芸*1であり、多分にエロティックな要素が大きいのだが、もうレベルが違い過ぎている。エロを超えたエロとでも言おうか、なんか夢に出てきそうな異様な迫力があった。

コミックも良かった。特に、「トランクを持つ男」のパフォーマンスが秀逸。ちょっとゲイっぽい展開なのだが、抱きあった黒衣の男(クラウンの半身芝居)から渡されたカードに何が書かれていたのか?悲嘆とも怒りとも取れる表情のままクラウンがカードを破り捨てると、天井から紙ふぶきが舞い降り、雪のイメージを植えつける。そして暗転。直後、観客の視点には逆光になるように配置された強烈なライトが灯され、大型扇風機で紙吹雪が文字通りの吹雪となって、クラウンを包み込んで終劇となる。なんともシュールで文学的な出し物であった。

*1:特撮ヲタク的には「キングアラジン」と言う方が判りやすいかもだ。イヤな例えだが。