『レジェンズ〜甦る竜王伝説〜』

ディーノは何に微笑んだ?

第23話『君と見上げた夜の空 〜WHEN YOU WISH UPON A SPARK〜』

スタッフ
脚本演出絵コンテ作画監督
桑畑絹子小野勝巳宮下新平Lee Jung Kyoung
キャスト
キャラCVキャラCV
シュウ岡村明美シロン井上和彦
メグ那須めぐみマック鈴木真仁
ディーノ南央美グリード山口祥行
ヨウコ天野由梨サスケ澤田博幸
ブルーノ石井康嗣英語A太郎沢城みゆき
ハルカ渕崎ゆり子サラマンダー竹本英史
ランシーン?

ストーリー: 疲労困憊、満身創痍でマンハッタンに辿り着いたシロンだったが、体を休めようと忍び込んだ倉庫の中で力尽きそうになる。そこへ、待ち構えていたかのようにランシーンが現れた。シロンはタリスポッドを渡す代わりに、二度とシュウ達に手出しをしない事をランシーンに誓わせようとする。だがランシーンは、レジェンズウォーにサーガは否応なく巻き込まれると嘯く。当面の「悪の首魁」であるランシーンを倒せば...短絡したシロンはランシーンに戦いを挑むのだが、コンディションの違いから、勝負は目に見えていた。 シロンが気がかりなグリードは、シロンの真意をディーノに明かし、ディーノと共にシロンの行方を捜す。「こんな時にアイツは何をやってるんだ!」ディーノが毒づいているころ、シュウ達は今夜の花火大会のために浴衣でドレスアップし、早々に場所取りに出発していた。 端布でシロンの浴衣を作るマックを見て、ようやくシュウはシロンが居ない事に注意を向ける。「ネズッチョがいないとナンか物足りない」と今更な発言に呆れ返るメグとマックを残し、シュウはシロンを求めN.Y.を走る。そしてシュウは、まるで何かに導かれたかのように、シロンとランシーンの闘う倉庫に現れた。危機一髪。まさにランシーンに止めを刺されかけていたシロンをシュウはカムバックする。そしてリボーンした時、シロンの身体の傷は全て癒え、体力も回復されていた。そして、金色の鎧を纏い、翼も四枚に増えていた。自身の変化に戸惑いながらも、逆襲に転じるシロン。そして、シロンの変身だけではない「何か」に怯え傷ついたランシーンは、戦闘を放棄して逐電する。ランシーンと入れ違いに到着したグリードは、シロンの姿を見て「コマンドウィングドラゴン...」と呼ぶのだった。
コメント: マックがガリオンと化してから以降のストーリーは、全体的に鬱々としたトーンから緩やかな浮上を続けていた。そして先週、ようやく本調子を取り戻したと思ったのもものかわ、実に痛ましい今回のシロンのいたぶられっぷり。『デビルマン』か『マジンガーZ対暗黒大将軍』か、はたまた『ガメラ2』かといった、「もうヤメてくれー」感濃厚な演出は、スポンサーの意向シロンバージョンアップの前振りだったのね。ま、おもちゃ屋の策謀はサクっと流すとして、今回のラストで、物語のトーンはついに浮かびきった感じを覚えた。14話のラスト、シュウとシロンが見上げる星空を覆う雲との対比としての夜空を彩る花火。 子供たちの場所である廃ビルのシロンの指定席である時計台の上で、二人並んで花火を見ながら、 シロン:「...風のサーガ...」 シュウ:「シュウだよ。俺の名前はシュウ。言ってみ。」 シロン:「し...」(フンっと夜空を見上げる) いいねぇ。コマンドウィングドラゴンになった時、あくまで手前勝手な益体の無い理由で現れ、結果オーライでサーガの責務を果たし、一人ボケでキャットウォークからずり落ちそうなシュウを横目にシロンがそこはかとなくイヤそうに「コイツがいないと駄目なのか...」というシーンと呼応しているのだな。 持ち前の無頼な性格と、レジェンズとしての自分の立ち位置を自分以外のレジェンズは知っているという状況の間に懊悩するシロンの、諦念にも似た安堵を得た事を表現しているのだ。運命を受け入れたとは言わないが、己を見失っていたシロンが確かな足場を得た結果としての、コマンドウィングドラゴンの発現なのであろう。前回冒頭のランシーンの悪い予感は見事に的中したのだった。 毎度のことだが、一つ吹っ切れたと思うと、新たな謎が浮上する。「コマンドウィンドラゴン」とは?とかランシーンは何に恐怖したか?など。毎回、粋な演出を後につなげる構成力の高さにシビれているのだが、今回のラストを飾るブルックリンの花火大会も油断のならない「罠」の存在を感じてしまう。 以下、製作者の「罠」を邪推。

  • DWCの縦ロールおばっちょとシュウの母は同名「ヨウコ」であり、CVも天野由梨の二役であるが何かの複線か?
  • 冒頭、ディーノの入浴シーンは一瞬新キャラ登場か?と思わせぶり。ランシーンのサーガの存在は?
  • 今回、メグを除く子供たちは皆、親子の絆の強さをさり気なく見せていた。メグの家族は一切触れられなかった*1のは何かの複線なのか?
  • 夏の終わりを、レギュラー、セミレギュラーみんなが楽しむ花火大会。これは、"Ledgenz War"が本格化した時の、それぞれの葛藤や予想されるN.Y.地獄絵図と対比される風景なのか?
  • サラマンダーとダンディがつるんでいたが、下位レジェンズのエレメンタルレギオンとかあるのか?キーパーソンはウォルフィとリーオンなのか?
  • 今回のラスト、グリードはディーノに何を囁いたのか?


*1:10話で、両親あるいは父親とは別れて暮らしているらしいと推測されるが。