『ウルトラQ dark fantasy』第18話「後ろの正面」

目の据わった女がコンクリートブロックぶん回す姿は、シリーズで一番怖いかも(笑)

放映データ
話数放映日サブタイトル脚本監督
1804/08/03後ろの正面武井彩服部光則
キャスト
キャラクター俳優キャラクター俳優
坂本剛一袴田吉彦楠木涼遠藤久美子
半田広昭渡辺いっけいしおり/金髪の少年山田麻衣子
玉木刑事影丸茂樹金髪の少年(CV)皆川純子
ナレーション佐野史郎


近頃、街中を飛び交う奇妙な噂。その噂とは「かごめかごめ」と呼ばれる殺人サイトに関するもので、そのサイトにアクセスした人間は皆、謎の死を遂げてしまうと言う。もちろん叩き上げの刑事、半田(渡辺いっけい)はそんな噂は信じていなかったが、最近管内で変死事件が続いているのは事実だった。やがて目撃証言から金髪の少年が容疑者として浮上。更に半田は事件現場で悲しそうに佇む、可憐な少女しおり(山田麻衣子)に惹かれて行く。一方、別の観点から事件を追っていた、剛一と涼もまた事件のカギを握る「かごめかごめ」の歌に表向きとは別の意味があることを発見。歌の中にある「かごの鳥」と関係が…そして「後ろの正面」とは何を指すのか?



第2話「らくがき」の脚本/監督コンビが送る、「世にも奇妙な物語 ウルトラQスペシャル」第二弾(笑)。電脳怪談と思わせて、出来損ないのサイコサスペンスだった。
ラストに至って、全ての謎が詳らかに明かされるような体裁だが、それは錯覚。とりあえず多重人格者を落としどころにした安直極まる脚本で、「かごめかごめ」の謎は何も説明されていない。虐待経験のトラウマと「かごめかごめ」がどう結びつくのか、あの説明で理解できるか?
また、「かごめかごめ」が第二の人格が隆起するトリガーだとして、主人格は知りようのない第二の人格を呼び起こす事を、自ら意図して「かごめかごめ」を聞くあるいは歌わなければ、この犯罪を行い得ないだろうという矛盾には、なんら納得のいく説明*1はなされていない。
更にいうなら、歌を聴きながら*2男漁りの仕掛け犠牲者を漁色するHPを作っている姿を想像すると*3、爆笑してしまう。
当然、なんで病院のベッドの中の山田麻衣子が突然金髪になっているかといった意味不明の演出も、説明しようという気もサラサラないようだ。
こういう手抜いた構成や描写の仕方って、懐理性同一障害を患っている人への差別でないか?
影丸茂樹の玉木刑事が三度登場*4し、その上司に渡辺いっけいというキャスティングは喜ばしい限りだが、このシナリオぢゃぁなぁ。勿体無いおばけが出そうだ。
さて、このクズドラマのA級戦犯は脚本担当の武井彩であることは揺るぎのない事実だ。でも、このヒトにオファーしたプロデューサーや、こんな脚本をスルーしたシリーズ監修を行っている人間の責任の方が大きくないか?言うなれば、マクドナルドでハンバーガー作ってたバイトを、いきなり新橋橋善の厨房に入れてかき揚げ作らせ、無残な揚げ玉をして「かき揚げ」だって言い張って客に出しているようなもんだろう。
何度も繰り返すが、敢えて「ウルトラQ」のブランドを冠した以上それに相応しいドラマを作るべき*5だし、その為に、オリジナルスタッフの生き証人として上原正三氏がいるのではないのだろうか?ご本人が担当された脚本からも、「ウルトラQ」の本質や、21世紀にリメイクする意味を読み取る事は難しかったりする。だが、監修というのは駄目出しも仕事だろうに。




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*1:合理的である必要はない。SFホラードラマなんだから。

*2:あるいは口ずさみながら

*3:タグうちなのか、ソフト使っているのか知らんが、想像するなって方が無理だ

*4:何課の所属だ!とかヤボは言わないように

*5:ウルトラQ」でなければよいという問題ではない。今回のようなドラマは、同人誌か自費出版以外世に出してはいけない類の代物。人様から金貰って書かれるプロ仕事ではないし、当然マスメディアに乗せる価値などない。むしろ害悪と言えるだろう。