ウルトラマン利用権巡り円谷プロを提訴・タイ人会社社長

 「ウルトラマン」の著作権を持つ円谷プロダクション(東京・世田谷)を相手取り、タイ人の会社社長が18日、「日本以外でのウルトラマンの独占的利用権を侵害された」として、12億5000万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

 海外の商品化権では「1976年に当時の円谷プロ社長から独占利用権を譲り受けた」と主張するタイ人社長と「契約書は偽造」とする円谷プロの間で訴訟になり、2004年4月、タイ人社長の主張を認める判決が最高裁で確定している。


[2006年5月19日/日本経済新聞 朝刊]

一昨年だったか、タイのチャイヨー*1社に円谷プロが敗訴した件。事態を収める意図*2を持って、バンダイグループが円谷プロを買収したのかと思っていたのだが、あんまり機能していないみたいね。

新しいウルトラマンこれまで以上に期待できなくなる事もさることながら、事態が収集しない限り『有限実行三姉妹シュシュトリアン』の全話ソフト化が不可能になることの方が、個人的には大打撃だったりする(つД`)。

『シュシュトリアン』がDVD化されない*3背景は謎だが、一番考えられる理由は、円谷一夫社長の英断で東映キャラとウルトラマンの夢のコラボを実現した第四十話「ウルトラマンに逢いたい」*4が原因と推察される。

ゲストに黒部進、円谷社長も本人役で出演し、堂々円谷プロ倉庫ロケを敢行、クライマックスはウルトラマン&巨大美少女三姉妹とバルタン星人の変則タッグというマニア歓喜の快作が、思わぬところで仇になってしまった感じである。

東映としては、敢えて火中の栗を拾うような真似はすまい。いや、既にVHSでは本エピソードはセールスされているわけで、寝た子を起こすが正しいか。


*1:またはシャイヨー

*2:再審、あるいは、シャイヨーとの日本国内における使用権の独占契約、豪米展開の代理店契約等々、バンダイをアカウントとすることでチャイヨー的にメリットのある交渉はナンボでも可能と思われるのだが。

*3:東映不思議少女シリーズは、『いぱねま』『ポワトリン』と全話DVD化済み。放映順では『シュシュトリアン』がリリースされる番なのに、音沙汰無し。

*4:石橋けい演じる次女・月子の理想の男性がウルトラマンというブっとんだ設定。流れ星に「ウルトラマンに遭いたい!」と月子がこめた願いが発端となり、円谷プロの倉庫に眠る怪獣の着ぐるみたちが本当の怪獣になって暴れまわるというストーリー。