のっぽさんが「みんなの歌」で歌っている

71歳で歌手デビューとは。

 NHKみんなのうた」で昨年12月から放送している「グラスホッパー物語」が、同番組歴代1位となる4カ月のロングランを記録し話題になっている。4、5月の放送延長も確定的で、実現すれば史上初の半年ロングランとなる。同曲で71歳での歌手デビューを果たした“ノッポさん”こと高見映(71)は「こんな気分のいい仕事は初めて」と、手応えをかみしめている。
 「グラスホッパー物語」の詞と演出を担当し、自らもおじいさんバッタ役で登場する高見は「この曲にかかわった人すべてが優秀な仕事をした。71歳になってこんな気分のいい仕事ができて最高の気分。こんなにロングランになったのも、多くの反響をくれたみなさんのおかげ」と語る。
 歌の舞台はある公園の片隅。切り株の上でグラスホッパー(バッタ)のおじいさんが3匹の孫バッタたちに若き日の冒険談を聞かせる。公園の外に出るなという代々の言い伝えを破って外の世界に飛んだこと、地下鉄に迷い込んで人間の優しさに触れたこと。「私はもう行けないよ」とくたびれた羽を見つめ「だが君たちは別だ!  若い日は2度と来ない。ほら孫たちよ飛んでおくれ」と歌う。
 作曲した松本俊明氏が「ロンドンの地下鉄でバッタを見た」ことをきっかけにつくったメロディーに、高見がストーリーと詞をつけた。バッタに扮(ふん)した高見が歌ったり、セリフを語ったり、ミュージカルのような4分44秒。「ノッポさんと一緒に仕事ができるなら」とイラスト、立体アニメなどさまざまな分野のプロが集結し、完成までに半年をかけた。
 番組ホームページでの同曲への検索ヒット件数は1日最高で35万件を記録し「大きな古時計」の16万件を大きく上回り歴代トップ。飯野恵子プロデューサーは「あのノッポさんが歌うということと、71歳の高見さんが書いた詞がウソなく心に響くことが反響につながったと思う」と話す。
 高見は「孫たちとお別れの時が近い年配層の人たちから『生まれて死んでいくのは当然だと元気付けられた。孫たちに後を任せようと思うと心安らかになった』という手紙も多い。逆に、小学3年生が『バッタがかわいい』と劇にして発表会を開いてくれたり」。
 30代から54代まで「できるかな」のノッポさんとして子供に愛された高見もこの曲に人生を重ねる1人だ。「ノッポさんを大事にするあまり悪役を遠ざけたこともあったし、僕も冒険をし損なったおじいさんかも。今の子供たちは部屋や自分の殻にこもりがちだけど、思い切り飛んでもらいたいよね」。
(日刊スポーツ) - 3月7日10時5分更新

ちなみにゴン太くんの秘密というページも発見。ゴン太くんの着ぐるみの構造を説明したページ。意外にもNHKエンタープライズのサイト内にあった。番組終了して10年以上経過したと思うが、人気は根強いなぁ。